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１．単純な動機
和歌山ラーメンを食べに和歌山まで行こう。単純な話である。そう思い立った理由はふたつあった。ひとつは世田谷区豪徳寺にある紀州和歌山ラーメン店「まっち棒」で、極上のラーメンに出会えたこと。「東京でこれだけの味なのだから本場はものすごいことになっているに違いない！」と思った。もうひとつは新横浜のラーメン博物館に期間限定で出店していた和歌山ラーメン店「井出商店」を体験できなかったこと。そしてまた思った。「こりゃ本店に行くしかないでしょ！」ラーメン道は奥深いが、動機は単純なのだ。うまいラーメンを求める旅路は、このような理由から始まった。
２．前夜にふさわしいラーメンは…
出発の日、私はラーメン師匠のせとやま氏と秋葉原にいた。秋葉原といえば「九州じゃんがらラーメン」。そうピンと来る人が多いだろう。しかし我々が和歌山ラーメン紀行前夜に選んだのは、昭和通り側、神田川を渡ってすぐ右にある東京ラーメン店「味楽」だった（我ながらシブイ）。まさに和歌山ラーメン紀行前夜祭にふさわしい味だったと自負している。ここのしょうゆラーメン（チャーシューメン＋のりトッピングがベスト）は絶品なのだが、まだそれほど有名店ではないようだ。はじめて食す師匠もご満悦だった。
食べ終わったらすぐ帰宅。いったん帰ってあらためて出陣という寸法である。青春１８キップ利用の制約でちょっとしたテクニックが必要なのだった。
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