目次に戻る Full Screen 誰かが数学を考えなければ進歩もしないんでしょう。しかしそれをやるのはオレじゃない。それでいいじゃないですか。 これが必要だといくつもの教科を押しつけておいて、自分の専門は数学ですもないもんだ。 あなたが数学でメシを食べるつもりがまったくないなら、この図式においてあなたは「カモ」なのです。		数学が必要な人々 　学校の教師、特に専門科目を持っている人は自分の専門を理解させようと一所懸命になったりすることがあります。一見熱心な先生なので批判もしずらいですが、感受性豊かな若い時代、こういうマニアの演説になぜ毎日つきあわなければならないのでしょうか。 　こういうマニアに限って、新しいことは理屈をこねてやりたがらないものです。その最もわかりやすい例がパソコンです。彼らマニアが若い頃にはなかったツールとしてのパソコンがいまモーレツな勢いで学校に侵入しています。しかし教師の大半は面倒がって新しいツールを学ぼうとはしません。 　これはおかしくないですか。彼らは必要だと思いこんでいるマニアックな日本史や英語、数学、理科、ｅｔｃ．．．それらを寄ってたかって勉強しろと押しつけてくる。しかし当の本人は専門外の教科はわからなくてもいいし、将来必要となってくるツールすら学ぼうとしないのです。 　本当にどの教科も必要だと信じるなら「専門は数学です」などと言わず、「オレは人生に必要なこれらの教科すべてをマスターしている。それでこんなにいい人生を送っている。だから君たちも全教科マスターしてみないか！」くらいのことを言って欲しい。 　あるいは数学の教師が「他の教科は別にやらなくてもいい。しかし数学だけはやっておけ」というなら、たとえ根拠がわからなくても気持ちはわかる。数学マニアにとって数学はきっと夢のようなロマンあふれる世界で、それをわかってもらいたいという情熱に心打たれるかもしれない。 　しかし君たちにはこれが必要だといくつもの教科を押しつけておいて、自分の専門は数学ですもないもんだ。あんたがやった日本史はどこいっちゃったんだよぉ。必要じゃなかったのかよぉ。そう問いたい。 　数学なんて人類にとっては必要なんでしょう。誰かが数学を考えなければ進歩もしないんでしょう。しかしそれをやるのはオレじゃない。それでいいじゃないですか。やりたい人間には思いっきり数学に没頭していただきましょう。でもそれを布教することはない。 　結局、数学をもっとも必要としているのは、数学を教える彼らなのです。彼らはまさに数学でメシを食っている。しかしそれにつきあったところで、あなたが数学でメシを食べるつもりがまったくないなら、この図式においてあなたは「カモ」なのです。彼らに必要だからとたぶらかされて、彼らの生活をささえているに過ぎないのです。それは日本史も英語もどれも同じです。　 　「カモ」を太らせ、次なる「カモ」を育てる教育はねずみ講にも似ています。だからでもしか教員などがでてくる。社会には馴染めないけど数学はできるから数学教師にでもなるかという人です。そうして数学の必要性を説き、数学を布教し、自分の生活を守っているのです。そりゃお布施してあげるのは生徒の自由だけど、ゆすりたかりには注意しましょう。