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42．ゲームオーバー
ついに帰ってきた。改札口で俺は青春１８キップを差し出した。新幹線の乗車券でも良かったのだが、気分は俄然青春１８キップだった。使いきった自己満足のために、２３：３０の駅は最高の舞台だった。
自宅に帰って何をしたか覚えていない。ここまでの道のりはほとんど覚えていて、正確な時間以外はスラスラ書いてきたが、帰宅後の記憶はない。きっと眠ってしまったんじゃないかと思う。明日の月曜日、有給休暇を取っていて良かったなどと思いながら。
旅行はよく行った。子どもの頃は沖縄から北海道まで。各地で写した写真が残っている。学生の頃は欧州各地、社会人になってサイパンやスイスに行った。特に欧州ではユーレールパスで国際列車乗り放題だったため、ホテルがとれなきゃ国際列車に乗ればいいくらいに考えていた。行き当たりばったりと時刻表を辿ることとどちらも好きだ。どうにかなると思うことが大切だ。
今回の小さな旅はラーメン紀行という小さなゲームだった。それがなんの役に立つというものではない。だがゲームとはそういうものである。ひとつのゲームが終わりまた次のゲームを始める。翌日、秋葉原に九州じゃんがらラーメンを食べに行った。それもいいじゃないか。
明日からはまた、長い日常というゲームが始まる。生きることはすなわちゲームであり、まわりみちが面白い。経験値はまわりみちのなかでレベルアップしていくもんだと思う。多いにまわりみちをして道草くっていこう。
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