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７．賭け
「ムーンライトながら」が来るまでの約３０分。とりあえずトイレに行って、飲み物も買う。同じ目的の人々がいたがそう多くは無かった。オンシーズンでも時期的には少し早かったからかもしれない。
この時点では座席に座ることをあきらめていた。わざわざ「ムーンライトながら」の指定席に乗って小田原までで下車する人がいるとは思えなかったからだ。満席の列車が到着して、眠れない夜を想像するとそれだけで疲れる。ただ待っている人数がそれほど多くないので、床にうずくまる場所はなんとか確保できるだろうくらいには考えていた。
自由席が４，５，６両目だということはキップを買うときに聞いていたので、そのなかで比較的列の短いところに陣取った。後から考えると、このときの場所によってはちょっとしたハプニングとの遭遇がまっていたわけで、危ないとこだった。
到着時間が近づくと人数も増えてきた。オッサンが我々の側に立っている。割り込むという感じではないが、後ろにつくという感じでもない微妙な距離である。列車が入ってきて、その行動の意味はすぐにわかった…
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