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11．接続良好
大垣には６：５１に着く。そこから先は乗り換えになるが、目的地が和歌山の俺たちにとって、最短かつ最良の接続列車は１１分後の「網干行き」である。この列車はまさに夜行列車の乗客のためにあるような列車である。しかし「ムーンライトながら」のほぼ全乗客がここで乗り換えるのに加え、先に着いた増発列車「大垣行き」の乗客で駅構内はごった返している。
精算をここですべきかどうかは迷った。乗り換えまでにたった１１分しかないからだ。乗り換え列車も既にほぼ満席である。だが気分的に朝一番で精算しておきたいと思い、駅員さんに声をかけた。列車を一本見送ってもいいとも思っていた。
駅員さんは慣れたもので、東京の駅名を言ってそこまでの定期券を見せるとすぐに計算してくれた。おかげで乗り換えもバッチリ。できるだけ空いている車両に行こうと列車の後ろの方へ歩いた。
実はこれが正解だった。ほとんどの乗り換え客はどうせ座れないとあきらめているのか、ホームまでの階段を降りてすぐの車両に乗っていた。確かにどの車両も座れないのだが、地元の人、つまり長距離乗らない乗客は、そんな旅行者を避けて階段から遠い車両に座っているのである。だからそういう車両は最初座れなくても、何駅か行けば座席が空く可能性が高いのであった。実際、俺たちは比較的短時間で座ることができた。
ここまでを振り返り「なんてついているんだろう」と話した。デッキにうずくまって夜を明かし、ヘトヘトで乗り換えると思っていたのだから、これほどまでに快適に行くとは幸先いい。この幸運が逆に「おこるーでやすしー」のメロディを俺たちに再び思い起こさせた。運、不運は紙一重なのだ。
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