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16．和歌山ラーメン
“彩のくに”埼玉から“紀のくに”和歌山へ。１４時間半かけてやってきました。今の日本はどこへ行っても町並みはいっしょだし、便利ではあるけれど味気ないもんです。でも視点を変えてみれば、思わず魅力的な町の姿が浮かび上がってくる。そのキーワードが今回は「和歌山ラーメン」だったのです。
１９９８年に大ブレークした和歌山ラーメン。それはテレビ東京系の看板番組のひとつ「ＴＶチャンピオン」正月特番から始まったとされる。なかでも日本一といわれる「井出商店」がもうすぐ手の届くところまで来ているのだ。ちなみに１９９９年正月には四国の徳島ラーメンに注目していた。いずれ行かねばなるまい…。
和歌山市内は、ハッキリ言って日本の地方都市そのまんまだった。ちょっと裏通りに入れば閑散とした町並みで、大きな道路に面した場所には、どこにでもある自動車ディーラーや銀行や、いわゆる高度成長期の日本的店舗が並んでいる。中心にある和歌山城だけが紀の国を主張していた。
しかし今回持参した和歌山ラーメンマップというフィルターを通したとたん、見違えるほどの魅力を放つ。このマップ、実はインターネットで入手したものだ。今回利用させてもらった「和歌山のラーメン」サイトは情報が充実していて、マップ以外にもラーメン通から寄せられた声は参考になった。深夜列車のなかで何度も読み返した。ローカルな生情報を手軽に入手できるインターネットは驚異的だ。
和歌山駅前デパートの書店にも立ち寄った。いちおうタウン情報誌もチェックするためだ。しかしその手の本はあっても、使えるものはなかった。やはりタイアップ的な側面をもつ商業出版物にディープな情報はムリなのか。
埼玉には「ラーメンマップ埼玉２」（幹書房発行）という優れた書籍がある。ラーメン不毛地帯・埼玉のラーメン屋にあえてこだわる冒険野郎な本だ。だが私が今もベスト３にいれる「石川家」（埼玉県岩槻市）はこの本で知ったし、埼玉在住のラーメン通にはバイブルとされている（ハズ）。日本一といわれる和歌山ラーメン本が駅前やキオスクにあってもいい。ＪＲ西日本が実験開始したデジタルキオスクでも売れると思う。
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