ポップングルメ紀行 1999・夏

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未完の南紀周遊

12:58

JR南部町駅発

25.海が呼んでいる

短い滞在だった。紀の国和歌山県には南紀熊野とよばれる豊かな自然がある。南部町は海と梅しかないと失敬なことを書いたが、もうひとつ「産み」もある。千里の浜ではウミガメの産卵が見られるそうだ。そのスケールはおそらく感動ものだろう。

南紀を満喫するには時間が必要だと思う。それは移動のためだけでなく、感じるための時間だ。いにしえの自然はその中に溶け込むことで語りかけてくる。それをじっと待つことが必要だ。

学生の頃、ドナウ川のほとりでそれを悟った。景色は変わっても、人知の及ばない自然を感じるのだ。それがリゾート感覚だと思う。

ま、下世話なところでは温泉あり、新鮮な魚介類あり、素晴らしい眺望ありとゆったり楽しめる。特急でポイントだけをまわるのが主流だが、途中下車の旅を南紀でやってみたいと思った。


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