遠い時計
引越し荷物のなかに見つけた
止まったままの目覚し時計
毎朝コイツに起こされて
通った道は もう遠いふるさと
目覚ましのベルの音が
君の声にかわる日を信じてた頃
いくつもの矛盾を解決しようと
もがきながら僕は
身寄りのないわずかな知識と
卒業証書を手にした
今は答えを急ぐ必要がなく
君とは別の新しい生活で
泣いたり喜んだりして見せてる
君の息子はこの春
はじめての卒業式
そんな日常も また遠いふるさと
毎朝ジリジリと
思い出だけを告げる時計
時のとまった 遠い古里という
タイムカプセルにしまっておこう
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