鶴輝によせて　ポップンポール（ぽっぷんぽーる）

「鶴輝」（つるぴか）というのは、１９９８年春から１９９９年冬までの１年半に全６冊発行された同人誌です。内容は毎回１つのテーマを決めて、数人の筆者が１２００字以内で文章を書くというシンプルなものでした。

そもそもの発端は、学生時代には感想文や作文や論文を書かされ提出するという行為を行っていましたが、社会人になって「人に読まれる文章を書く」という行為が極端に少なくなっていることへの危機感でした。もちろんビジネス文書の類は書いていますが、自身の精神活動や創作表現を誰かに読まれるという前提で書くことはほとんどなくなってしまったということです。

そこでテーマと文字数という制限を設け、文章を競作して読みあおうじゃないかという趣旨で「鶴輝」は始まりました。インターネットを使えば、このような試みは簡単にできますしお金もかかりません。しかし編集長のS氏を筆頭に出版業界への愛着、印刷物への愛着があり、あえて良い紙（財布の許す範囲でね）に印刷した同人誌「鶴輝」創刊となり、その趣旨に賛同して私ポップンポールも参加したわけです。

極少部数であり、金銭的な限界や毎回のテーマ検討の苦悩、筆者探しの苦労などなどが重なり結局６冊で休刊となりました。しかしこの１年半でやった試みはなかなか楽しかったのです。そこで自分で書いた文章だけですが、インターネットで公開してみようと思いました。自分のWebサイトではコラムなども書いており、公開を前提とした文章という意味では変わりませんが、ひとつの同人誌の制限のなかで書いた文章群には、他の文章とは違った温度があるように思います。◆

■　鶴輝テーマ別目次　本文リンク　■


　創刊号テーマ：男女の友情　：男と女の間に友情は存在するか
　第二号テーマ：桃太郎　：桃兄ぃのこと／帰ってきた桃太郎
　第三号テーマ：長いトンネルを抜けると（で書き始める）　：「問題です。」
　第四号テーマ：東京　：東京ベイ、十八歳。／東京の青年に告ぐ！
　第五号テーマ：やっぱり許せない　：ミーって最高さ！／やっぱり許せない？（笑）
　第六号テーマ：部屋　：茅ヶ崎の異邦人